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垣根涼介「ワイルドソウル」
 舞台は戦後のブラジルから始まる。外務省の移民政策によって、非人間的な境遇にさらされた人々を語る。以前テレビでこの種の問題を取り上げていて、気になっていた題材だ。それらの話をざっとした後、生き残った人々による、日本への復讐が始まる。
 決して野蛮な血みどろの話ではない。日本という国から、謝罪をさせたいだけなのだ。3人の男による、綿密に練られた計画を楽しめる。が、根底にあるのは「移民政策」だ。改めて考えさせる物語だと思う。
# by nk2004 | 2006-06-25 02:18 | 読書感想文
沢木耕太郎「一号線を北上せよ」
 「深夜特急」以来お気に入りの作家。「凍」や「壇」といったノンフィクションも面白かったが、やはり旅の話がいい。
 と思ったが、社会人になったからだろうか、いまひとつ入り込めなかった。でも作者自身「深夜特急」のころに比べると、やはり大人になっている。そのせいか安心して読めた。自分もいい歳になったら、バックパッカーほどでもないけれど、こんな自由旅行をしてみたい。
# by nk2004 | 2006-06-13 23:45 | 読書感想文
ここ10日間くらいの読書
 ずいぶん書かなかった。まあ、仕事だとかプライベートだとか、いろいろ忙しかったからだけれども、本は読んでた。

青柳恵介「風の男 白州次郎」
 わりに尊敬している人物である白州次郎。GHQに「従順ならざる唯一の日本人」といわれたことは有名だ。「サライ」という雑誌で以前特集されていて興味深く読んで、もっと詳しく知りたいなと思っていた。内容は戦後史とずいぶん絡めているので、若干読みづらい。でもまあ、人となりはよくわかる。

恩田陸「三月は深き紅の淵を」
 以前付き合っていた彼女が大好きだった作家。ふと買ってみたが、やはり苦手。上手く世界に入り込めないのだ。この本もご多分にもれず、だった。評判はいいのだけれどなあ。ほかのに挑戦してみるか。

乙一「暗いところで待ち合わせ」
 盲目の女の子と殺人の疑いをかけられた男の奇妙な同棲生活が書かれている。狭い空間での展開、という設定が面白い。そして最後にどんでん返しがある。実はサスペンスだったのか、といった感じ。


# by nk2004 | 2006-06-12 21:47 | 読書感想文
向田邦子「父の詫び状」
 なんだかとっても懐かしい香りのする、エッセイ。
 昔のこと、父のこと、母のこと、家族のことを筆者が微笑みながら書き連ねているような、そんな印象を受ける。自分の年代より、ずいぶん上の世代のひとだけれども、読んでいるとホッとする。
 書かれているのはどれもたわいのない、日常の話だ。でも、もはや失われてしまった、古きよき日本の家族の姿。
 しばらくしたら、読み返したくなるような、そんな一冊だった。
# by nk2004 | 2006-05-30 01:14 | 読書感想文
伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」
 GWが明けたら、仕事が一気に押し寄せてきた。ということで久々の書き込み。
 「ラッシュライフ」「オーデュボンの祈り」に次いで読んだ筆者の本。だいぶ慣れたのか、読みやすくなった。独特のパズルのような話の進み方に違和感がなくなったようだ。
 話は河崎と主人公・椎名の現在と、河原と琴美とブータン人・ドルジの2年前の出来事が交錯する。つなげているのはペットショップの麗子さん。
 本屋に強盗にいったり、動物殺人犯を追いかけたり、とさまざまな話が繰り広げられるが、やはり楽しいのは、徐々に過去と現在がくっつくところ。
 この作者の違うパターンの話も読んでみたい、かな。
 
# by nk2004 | 2006-05-17 00:39 | 読書感想文
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